【仙太郎のF1コラム】Vol1:ベッテルの挑戦
Posted by admin on 6/15/09 • Categorized as StaffDiary
【仙太郎のF1コラム】ベッテルの挑戦
本当にバトン&ブラウンGPの速さは、手をつけられません。
イスタンブール・サーキットはブラウンGPに最適なサーキットだったので、レース・
ウィークエンド前からバトンが勝つことは予想できました。
ブラウンGPが3レース連続の1-2フィニッシュをしても驚かなかったでしょう。
その最強のブラウンGPに挑んだ若者がいました。
レッドブルのセバスチャン・ベッテルです。
彼は、バトンより6Kg軽い燃料でポール・ポジションを獲得。
同じ条件ではブラウンGPに負けてしまうので、彼は燃料を軽くして勝負しました。
まずは、ポール・ポジションを獲得する。
そうすれば、路面の状態がいいアウト側からスタートできる。
そして、スタートで前に出て軽い燃料を活かして、1回目のストップまでにリードを
広げて、逃げ切るという作戦です。
ポール・ポジションを取ることにより、バトンを路面の良くないサイドに押しやり、
彼がスタートで他のマシンに抜かれ、抑え込まれればベッテルのチャンスは大きく広
がります。
そしてベッテルはポールを取り、スタートを決めてトップで1コーナーへ突入しま
す。
こここまでは、目論見通りです。
ところがバトンも負けてはいません。
路面状態の良くないイン側からのスタートにもかかわらず、二位で続きます。
この2レース最高のスタートを見せていたバリチェロが、ストール寸前になり後続の
マシンを邪魔したこともバトンには有利に働きました。
ところがベッテルはオープニング・ラップのターン10で飛び出してしまいます。
この時は、かなり強い追い風が吹いていたのでしょう。
スムーズなドライビングのバトンですらこの時は、かなり激しく修正しています。
エアロダイナミクスに依存する度合いが高いレッドブルは、強風に対してブラウンGP
より影響を受けやすいと思われます。
一方のブラウンGPは、エアロダイナミクスの変化に対する反応が、他のどのマシンよ
りマイルドで、ドライビングが容易です。
そこが、この勝負を分けました。
3ストップを選択したベッテルは、バトンとの差を広げなければいけないというプ
レッシャーもありました。
一度バトンを前に出せば、もう手がつけられません。
ベッテルも3ストップ作戦でバトンを追いかけますが、一度前に出たバトンに為す術
がありません。
バリチェロがスタートで大きく遅れ、最後はリタイヤしたので、レッドブルは2位と3
位を確保できましたが、それがなければ3位が精一杯だったでしょう。
ブラウンGPのマシンが最も優れているのは間違いありませんが、それだけでは勝ち続
けることはできません。
ブラウンGPは毎レース考え抜かれた緻密なレース戦略を計画し、バトンはそれにミス
のないドライビングで答えています。
チームの総合力が高いからこそ、彼らは7戦6勝の結果を残せているのです。
それは昨年のフェラーリを見れば、よくわかると思います。
昨年のフェラーリは最高のマシンを持ちながら、ミスにより多くのレースを失いまし
た。
最近のF1、特に今シーズンは非常に競争が激しくなっています。
トルコGPのQ2では、1位と10位のタイム差はわずかに0.457秒でした。
競争の激しいF1とはいえ、ここまでの僅差のシーズンも珍しいと思います。
残念ながらレッドブルもブラウンGPに対抗できるマシンのポテンシャルはあるのです
が、全ての要素を一つのレースで最高の状態に持っていくことができません。
これらの要素を高いレベルで同時に実行できなければ、レースで勝つことは難しいの
です。
そのほんの少しの差が、レッドブルとブラウンGPの勝ち星の数に現れていると考えて
いいでしょう。
果たして、次のイギリスGPでレッドブルは勝てるのでしょうか。
それともバトンは念願のホームGP初優勝を成し遂げられるのでしょうか。
興味の尽きないイギリスGPは、これが最後となるシルバー・ストーンで6月21日に開
催されます。
Pit-FM F1 MEETINGでお会いできるのを楽しみにしています。
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仙太郎
Pit-FM F1 MEETINGレギュラー解説者
メルマガ F1 Hyper News コラムニスト
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